スタッフ募集はこちら

法人向け節税対策の保険販売停止について思うこと。

こんにちは。
代表の澤田です。中小企業経営者のひとりです(笑)。

2019年2月13日、各新聞紙上に中小企業法人向けの節税保険の販売停止の記事が掲載されました。国税庁が生命保険会社に対し、節税の効果がある生命保険販売について止めるように、ということです。正確には専門的な資料、ニュースを見てください。

国税庁は日本の未来を如何に考えているのか?
私が感じることは「これで中小企業の発展が、日本の発展が遅れるな」と思うのです。

当社は設立当初、法人保険しか扱わない保険代理店としてスタートしました。
当然私も先頭に立ち、経営者の方々と様々な経営の話をしてきました。
会話の趣旨は節税保険に入るかどうか?ではなく『自社の未来を如何に発展させるのか?』です。
経営者は経営の全責任を持ち、お客様、社員とその家族、取引先企業とともに発展していこう!と考えています。が、万が一、経営の決断を誤り、倒産することになれば経営者は身包みを剥がされます。社員を、そしてその家族を路頭に迷わせます。

こういうことを起こさないように考えていても、震災は起こります、規制や法律は変わります。
そこで、想定外の万が一が起きたとしても会社を安定させるため、簿外に資産を蓄え、想定外のことが起きても会社の存続を維持できるように準備をしておくわけです。いつでもジャンプできる体制を整えるためにしゃがむ必要があります。
これに活用されているのが一般的に「節税保険」と呼ばれている法人契約の生命保険です。

例えば、多店舗展開している企業が、次の店舗を出店する費用として「節税保険」を活用したり、3.11の時には、被災した企業が「節税保険」を解約して資金繰りをしたりしています。また、経営者の退職金準備として活用もされていますが、これは残された従業員たちが事業継続しやすいように、効率化を図るためにずいぶんと活用していました。

経営者は、常に不安感と闘っているのです。
そのよりどころの一つがいわゆる「節税保険」と言われる法人保険でした。

ちなみに、節税保険で節税はできません。納税をする時期を少し先送りすることができるだけです。納税の先送りをしながら経営者の死亡保障も当然得られているのです。大企業の内部留保と、中小企業の簿外資産では、まったく意味合いが異なるのです。

この先、何が起こるのか?
多分、中小企業の納税額は短期的には増える事でしょう。が、長期的には減ることでしょう。

●新規事業で今社員が足りなくて「5年で安定させたい」と思った時、予備の貯えがあれば採用するでしょうが無ければ「何とか今の人員でやり繰りしよう」となっちゃうかもしれません。雇用は増えていかない。法人税も、所得税も増えていかない。

●例えば、先ほどの多店舗展開の企業さん。
5年後に新店舗を出したいと思って法人保険を活用した場合、5年後に解約し、課税される所得にしたうえで、現金を新店投資に使います。
が、毎年、課税されながら貯金すると効率が落ちるので、新規出店は7年後、というようなことが起きてきます。売上増加のスピードも落ちるし、雇用のスピードも落ちる。この企業だけ考えても10年間の納税合計は減るはずです。もしかしたら、新店舗を出すことをあきらめる可能性すらあります。

●例えば、退職金の準備。
法人保険を使って、5年後に引退を考えていた社長。退職金の貯金スピードが落ちるので、引退時期を3年遅らせるかもしれません。そうすると次世代の経営者が経営する年数が短くなり、経営者も会社も成長が遅くなります。
また、5年後にどうしても引退となれば、退職金がたまっていませんので、老後資金不足から、生活保護になるかもしれません。無理に増額すると、残された企業の存続が難しくなるかもしれません。後継者不足で優良企業が清算されることが、促進されてしまうでしょう。

ちなみに、当社では経営者の3か年、5か年の計画を聞いてからしか法人保険の提案をしてきませんでした。その先お客様がどうなっても売れればいい、的な営業をしていません。お客様の事業継続に最適な提案をするためです。なので単に「今期すごく儲かったから節税保険に入りたい」というお客様でも中期計画を聞き、希望額から契約額の引き下げをお願いしたり、断ったりしてきました。最後に感謝されないのが嫌だからです。

株式会社東京商工リサーチ『全国「老舗企業」調査』によると、日本に100年以上続く企業は3万社以上あります。
世界で日本がトップだそうです。日本は【中小企業の長期安定継続】で成り立ってきた国なんです。日本企業の99%は中小企業です。労働人口の70%以上の雇用を守っています。この各社のリーダーたる経営者が、経営の不安から消極的になれば、日本の未来はどうなるのでしょう?中小企業の力の一つを奪ってチャンスと思うのは、今、世界が戦々恐々としているGAFAでしょう。
この4社だけで世界が成り立つはずがありません。

私はここ数年、東南アジア各国へと視察に良く行きます。
近代化してきたけど、物乞いが増えた国、繁華街の交差点で3歳くらいの子供が1歳くらいの子供のお世話をしている。スコールが降る中、空き缶を置いて。水道が整備されておらず、乳児のころに亡くなってしまう…。
こういうのを目の当たりにすると「なんて日本は素晴らしい国なのだろう?」と感じてしまいます。今、日本を動かしているのは政府と大企業かもしれません。が、100年遡ればこの基盤を作ったのは間違いなく名も無き中小企業の頑張りなんです。その土壌があるからこそ、大企業は成長できますし、政府も成り立ちます。目立たないけど、頑張っている380万社の中小企業が、100年後のこの国には必要なんです。

未来に責任を持つ決断を!
この決定にかかわった政治家、政府の方々は、中小企業経営者の日々不安と闘いながらチャレンジしていることを、理解していないのではないでしょうか?経営者の精神状態を理解しながらこの決定をしたのでしょうか?10年後、20年後の中小企業がどうなっているのか?を責任を持って決断したといえるのでしょうか?疑問が残ります。
日本中の中小企業が消極的になった日本で、関係者の子供達も生きていくのです。
短期的な税収を上げた!という自分の手柄と、子供達が生きていく未来社会の発展とを引き換えにする覚悟がありますか?と聞いてみたいです。

短期的視点ではなく、長期的視点で
私は節税保険を売りたいがために言っているわけではありません。当社の法人保険の売上は10%以下です。発売停止になっても大した痛手ではありません。が、自分の子供の未来、社員の子供の未来を考えると残念で仕方ありません。
長期的日本の未来のために、法人保険がダメなら中小企業経営者の不安感を取り除く新たな何か?の政策を提供してほしいです。自助努力により返済不要な資金準備策です。中長期的に見た場合、法人保険の節税では、国家は何の損もしていないのですから。

決断した関係者の方々は、もっともっと日本国家の未来を考えてくれているのかもしれません。私の視座が低くて、私が理解できないのかもしれません。だから説明してほしい!「この決定は、10年後、20年後、100年後の日本にとって素晴らしい決断なんだ!」とぜひ理解させてほしい。

そう願っております。
すべての法律は、日本を豊かにし、国民に安定と安心を提供するためにあるはずですから。

タグ:,

ページトップへ